「価値循環思考とサービスデザイン」経営イノベーション研究所「第20回研究報告会」を開催
近畿大学経営イノベーション研究所（大阪府東大阪市）は、平成30年（2018年）10月31日（水）、東大阪キャンパスにて「第20回研究報告会」を開催します。
【本件のポイント】
●本学の研究成果を地域企業や一般の方に提供し、地域の活性化に貢献
●近年ビジネスなどにおいて注目されている「サービスデザイン※1」の考え方を価値循環※2 という理論で基礎づけ、解説する
●学生は報告会を通じて新しいビジネス実践方法を学び、理解するための手がかりを得る
※1 ユーザが、サービスの利用を通じて得られた効果や体験を改善することを目指して、サービスを設計する手法や考え方。
※2 多様な活動主体（企業や地域、家庭なども含む）のそれぞれが協働して、それぞれの欲求やニーズを充たしていくことをめざす考え方。
【本件の概要】
近畿大学経営イノベーション研究所は、産業界と連携して経営イノベーションの実例を取り入れた教育・研究を行うとともに、東大阪の企業経営者や地域の方々を対象に、最新のイノベーションについて学ぶ場を積極的に提供しています。
今回は、経営学部経営学科の教授 山縣 正幸（やまがた まさゆき）が、「価値循環思考とサービスデザイン」と題して、近年注目されている実践のための思考枠組としてのサービスデザインについて、経営学における価値循環という考え方にもとづいて、最新の事例とともに説明・報告します。特に、多様なステイクホルダーとの関係性を通じた価値創造に焦点を当てて、みなさんとともに考える機会にしたいと思います。
■日 時：平成30年（2018年）10月31日（水）15：00～16：30
■会 場：近畿大学東大阪キャンパス 21号館 8階会議室
（大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分）
■対 象：企業・一般の方、本学学生・教職員（定員先着50人、入場無料、当日参加可）
■申込方法：氏名、年齢、参加希望人数を明記の上、下記メールにお申込みください。
E-mail：icmi@bus.kindai.ac.jp
■お問合せ：近畿大学経営イノベーション研究所 TEL（06）4307-3046
【研究報告会について】
今回の研究報告会では、「価値循環思考とサービスデザイン」と題して報告します。
「価値循環思考」とは、ドイツ語圏の経営学において考え出された概念枠組で、特にニックリッシュ（Nicklisch,H.）によって提唱されました。この考え方は、多様なステイクホルダーとの関係性を考慮に入れた企業理論の基礎となっています。
一方、近年「サービスデザイン」という考え方や手法が、ビジネスのみならず公共領域も含めた多様な価値創造実践において注目を集めています。「サービスデザイン」はアメリカにおけるサービス領域の比重増大を背景として生まれましたが、その具体的な内容はヨーロッパで展開されています。ヨーロッパでは、その歴史的経緯からさまざまなレベルでの多様性を認めたうえで、それらをどう包括・協働していくのかという点がつねに課題となってきました。そういった傾向は、もちろんビジネスにも反映されます。「サービスデザイン」という考え方や手法への関心が高まっているのは、その一つのあらわれです。
こういった現状を捉え、将来を構想していくうえで、価値循環思考はあらためて注目すべき意義を有しています。本報告では、価値循環思考という基礎的な概念枠組を紹介したうえで、「サービスデザイン」という考え方や手法をどう理解すればいいのかについて考えたいと思います。
【講師プロフィール】
近畿大学 経営学部経営学科 教授 山縣 正幸(やまがた まさゆき)
学 位：博士（商学）
専門分野 ：経営学史、企業行動論、経営学原理
研究テーマ：ステイクホルダーとの関係性を重視した価値創造をめぐる理論的研究
著 書：『企業発展の経営学』千倉書房、2007年。
論 文：「ステイクホルダー型企業理論としてのニックリッシュ・モデル」
『日本経営学会誌』第36号、2015年
「価値循環、組織経済、サービスデザイン」
『経営哲学』（経営哲学学会）第15巻第1号、2018年ほか
所属学会 ：日本経営学会、経営学史学会、経営哲学学会、日本デザイン学会など
■経営イノベーション研究所ホームページ
https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/management-innovation/
【関連リンク】
経営学部経営学科 教授 山縣 正幸（ヤマガタ マサユキ）
http://www.kindai.ac.jp/meikan/125-yamagata-masayuki.html
