教授2名が「Highly Cited Researchers 2023」に連続選出 臨床医学部門において3年連続同時受賞の快挙!

主任教授 工藤正俊(左)、特任教授 中川和彦(右)
主任教授 工藤正俊(左)、特任教授 中川和彦(右)

近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)内科学教室(消化器内科部門)主任教授 工藤正俊と、近畿大学病院がんセンター特任教授 中川和彦が、世界的な学術情報サービス企業、クラリベイト・アナリティクス社(Clarivate Analytics)の「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2023)臨床医学部門(Clinical Medicine)」に選出されました。
これは、世界の全論文のなかで引用回数が上位1%に入る研究論文を、複数発表し続けていることを意味します。工藤正俊は令和元年(2019年)以降5年連続、中川和彦は令和3年(2021年)以降3年連続の受賞となり、臨床医学部門において近畿大学医学部・病院から3年連続で2名の同時受賞となります。

【本件のポイント】
●医学部主任教授 工藤正俊と、近畿大学病院がんセンター特任教授 中川和彦の2名が、クラリベイト・アナリティクス社「高被引用論文著者 臨床医学部門」に連続選出
●近畿大学医学部・病院から3年連続で2名同時受賞の快挙
●がん治療に関する論文引用が多く、近畿大学医学部および近畿大学病院が、世界におけるがん治療で注目されていることを示す

【本件の内容】
「Highly Cited Researchers」とは、クラリベイト・アナリティクス社が運営する論文検索サービス「Web of Science」に収録の学術誌に発表された論文について、発表から1年間の被引用件数を分析したものです。自然科学及び社会科学の20分野に、一人の研究者が複数分野で論文を発表している場合の合計被引用件数を示すクロスフィールドカテゴリーを加えた、合計21分野における論文の被引用件数が世界の上位1%に該当するものを高被引用論文として定義し、質的分析と専門アナリストの判断によりさらに絞り込まれ、平成26年(2014年)から毎年その著者がリストアップされています。
令和5年(2023年)にリストアップされた21分野6,849名のうち、日本の機関に所属している研究者は全領域で90名です。臨床医学部門において全国の大学医学部・病院での受賞は、本学医学部・病院の教授2名のみとなっており、さらに3年連続2名同時受賞は快挙と言えます。

【受賞者紹介】
(1)工藤正俊(くどうまさとし)
近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)主任教授
専門:消化器内科学
論文出版数(Publications):1,296
総引用数(Total Times Cited):55,199
※ 令和5年(2023年)11月現在
Publons:https://publons.com/researcher/3112744/masatoshi-kudo/metrics/
<受賞コメント>
今年も5年連続で「Highly Cited Researchers」に選出されたことについて大変、光栄に思っています。私は臨床医であり、「肝臓がん」の患者さんの命を救いたい、という一心で臨床研究を続けてきました。ひと昔前は、「肝臓がん」というと不治の病のように思われていましたし、実際そうでした。しかしながら、最近の免疫療法の進歩に加えて、私たちが開発した局所治療・動脈塞栓療法や切除を免疫療法に加える根治的治療戦略により、「肝臓がん」の患者さんにも治癒をもたらすことができるようになってきました。臨床研究には終わりがありません。これまでも「肝臓がん」の治療成績では日本が世界をリードしてきましたが、今後も日本から世界に向けて「肝臓がん」の患者さんに治癒をもたらす新しい治療法の開発のために全力で取り組んでいきたいと考えています。

<直近の論文紹介(一部)>
論文名:Overall survival and objective response in advanced unresectable hepatocellular carcinoma: A subanalysis of the REFLECT study.
掲載誌:J Hepatol 78:133-141, 2023.(IF=25.7)
URL :https://doi.org/10.1016/j.jhep.2022.09.006

論文名:Tislelizumab vs Sorafenib as First-Line Treatment for Unresectable Hepatocellular Carcinoma: A Phase 3 Randomized Clinical Trial.
掲載誌:JAMA Oncol 2023 Oct 5:e234003, 2023.(IF=28.4)
URL :https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2810119

論文名:Atezolizumab plus bevacizumab versus active surveillance in patients with resected or ablated high-risk hepatocellular carcinoma (IMbrave050): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial. (Shared 1t authors)
掲載誌:Lancet, 2023 (Epub ahead of print).(IF=168.9)
URL :https://doi.org/10.1016/S0140-6736%2823%2901796-8

(2)中川和彦(なかがわかずひこ)
近畿大学病院がんセンター 特任教授
専門:腫瘍内科学
論文出版数(Publications):612
総引用数(Total Times Cited):51,190
※ 令和5年(2023年)11月現在
Publons:https://publons.com/researcher/4784574/kazuhiko-nakagawa/
<受賞コメント>
クラリベイトが選出する「Highly Cited Researchers」に3年連続で選出されました。大変名誉なことと喜んでおります。肺がんは固形がんの中で最も悪性度の高いがんと恐れられていました。1990年代、ありとあらゆる自然界から抽出された化学物質が殺細胞性抗がん剤として開発されましたが、肺がんを短期的に縮小することはできても、生存期間を延長することはできませんでした。絶望の中で最後の望みを託して開発されたのが分子標的治療薬であり、肺がん領域での初穂が平成14年(2002年)に誕生したEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、ゲフィチニブでした。私は幸いなことに平成10年(1998年)から始まったゲフィチニブ臨床開発の治験責任医師として研究に参加することとなり、ゲフィチニブが著効する肺がん患者の世界で最初の目撃者となりました。この出来事が私の人生を変えたと言っても過言ではありません。私が肺がん研究者として近畿大学医学部で過ごした26年は、最悪の肺がんに対する実に多くの有効薬剤誕生の連続する驚異の四半世紀だったのです。私は、そのほとんどすべての新薬の臨床開発に日本の肺がん研究者の代表として加わることができ、それが3年連続で「Highly Cited Researchers」に選出される業績を生み出しました。研究の場を与えていただいた近畿大学医学部および近畿大学病院に、また臨床研究に私とともに参加してくれた腫瘍内科の歴代医局員一人ひとりに、そして日本の肺がん研究者の皆様方、特に西日本がん研究機構(NPO-WJOG)の皆様方に感謝の意を表したいと存じます。

<直近の論文紹介(一部)>
論文名:Durvalumab Plus Concurrent Radiotherapy for Treatment of Locally Advanced Non-Small Cell Lung Cancer: The DOLPHIN Phase 2 Nonrandomized Controlled Trial.
掲載誌:JAMA Oncol.(IF=28.4)
URL :https://doi.org/10.1001/jamaoncol.2023.3309

論文名:Tumor Microenvironment Landscape of NSCLC Reveals Resistance Mechanisms for Programmed Death-Ligand 1 Blockade After Chemoradiotherapy: A Multicenter Prospective Biomarker Study .(WJOG11518L:SUBMARINE)
掲載誌:J Thorac Oncol.(IF=20.4)
URL :https://doi.org/10.1016/j.jtho.2023.06.012

論文名:Pembrolizumab versus placebo as adjuvant therapy for completely resected stage IB-IIIA non-small-cell lung cancer (PEARLS/KEYNOTE-091): an interim analysis of a randomised, triple-blind, phase 3 trial.
掲載誌:Lancet Oncol.(IF=51.1)
URL :https://doi.org/10.1016/s1470-2045%2822%2900518-6

【関連リンク】
医学部 医学科 教授 工藤正俊(クドウマサトシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/569-kudou-masatoshi.html
医学部 医学科 特任教授 中川和彦(ナカガワカズヒコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/755-nakagawa-kazuhiko.html

医学部
https://www.kindai.ac.jp/medicine/
近畿大学病院
https://www.med.kindai.ac.jp/


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