福島県川俣町の新設ビニールハウスにてアンスリウム定植体験 農学部の学生と川俣町の小学生らが参加
近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成30年(2018年)10月22日(月)、福島県川俣町のビニールハウスにて、農学部の学生・院生5名と川俣町立福田小学校など5校の小学校の児童らによるアンスリウム定植体験を行います。
【本件のポイント】
●近畿大学と包括連携協定を締結している福島県川俣町での復興支援活動の一環で実施
●ポリエステル媒地活用推進組合との共同で大量生産が整うアンスリウムをPR
●大学生・院生、児童らがアンスリウム定植体験を行うことにより、地域事業に貢献
【本件の概要】
近畿大学は「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として、平成25年(2013年)に川俣町にビニールハウスを設置し、本学教員が指導のもとポリエステル媒地を使用したアンスリウムの栽培支援と研究を継続的に行なっています。
町内の栽培気運が高まってきたことで、地元住民が「ポリエステル媒地活用推進組合」を立ち上げ、アンスリウムの本格生産に向けて活動してきました。
この度、組合が町内に9棟のビニールハウスを建設し、アンスリウムの大量生産体制が整う事を記念して、農学部の学生・院生5名に加え、アンスリウムのマスコットキャラ作りで本学と交流のある川俣町立福田小学校の児童14名とその他の小学校の児童らがアンスリウムの苗を苗床から移し替える定植体験を行います。
■日 時:平成30年(2018年)10月22日(月)10:00~11:30
■場 所:福島県川俣町おじまふるさと交流館(福島県伊達郡川俣町大字小島字町畑12)
※ビニールハウスは同施設に近接しています。
■参加者:社会連携推進センター教授 田中 尚道
農学部学生・院生5名、川俣町の小学校児童14名
【本件の背景】
近畿大学は、「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として、平成25年(2013年)に川俣町にビニールハウスを設置し、農業振興を目的とした研究・提案をおこなってきました。
その中で、野菜や観賞用植物栽培にポリエステル媒地を使うことで、容易に高品質の作物を生産でき、風評被害の払拭にもつながることを確認。中でもアンスリウムは、国内産の流通が少なく年間を通して度々出荷できる点で、原発事故の影響を受けた川俣町の農業振興として有望であると考え、試験栽培を続けてきました。
その活動に賛同する形で、地元農家を中心とした、アンスリウムのみならず、ポリエステル媒地を使った施設園芸に係る活動を想定した「ポリエステル媒地活用推進組合」が発足し、技術的な部分については社会連携推進センター教授 田中 尚道の指導のもと継続支援しています。
組合参加者11人中4人が新規就農で、避難区域に指定されていた山木屋地区の方も参加されています。
特に注目を集めたのが、世界四大ミスコンテストの一つ「ミス・グランド・インターナショナル」の日本大会である「ミス・グランド・ジャパン」の公式フラワーに2年連続で採用。入賞者に授与され、今年度はファイナリスト全員が川俣町を表敬訪問しました。
また、福田小学校の児童が、本学文芸学部の監修のもと、アンスリウムのマスコットキャラ「スリンちゃん」を作成、平成30年(2018年)3月には福島駅前でアンスリウムのPRイベントを行い、11月に東京・銀座でもイベントを行う予定です。
今後も引き続き、国内で川俣産アンスリウムのPRを積極的に行い、2020年のオリンピック・パラリンピックフラワーに採用されることを目標に活動していきます。
【アンスリウム】
ハート型の花とプラスチックのような質感を持つ鮮やかな美しい葉を持つ人気の観葉植物。花持ちが一カ月以上と長いことから切花としても人気があり、鉢植えも同様に花持ちがよいのが特徴です。熱帯アメリカ原産で、国内で流通しているものの多くは台湾などからの輸入です。
【ポリエステル媒地】
一般的な市販の農作物用の土は「培地」という言葉を使うのですが、ポリエステル媒地では「媒地」と呼称しています。
衣服の切れ端から作る本製品には、通常の土本来が持っている栄養素が全く無く、肥料を入れることによってポリエステルが「触媒」となり農作物の成長に影響を与えるという仕組みから「媒地」と呼んでいます。これを活用することにより、地域全体で品質が揃った栽培が可能になり、一大産地を形成することが出来る可能性があります。
【"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト 活動内容】
近畿大学が、14学部48学科を擁する総合大学としての研究力を生かし、東日本大震災に伴う原発事故により、一部が計画的避難区域に指定された川俣町の早期復興を、大学の総力を挙げて支援するために立ち上げたプロジェクトです。
近畿大学教員が提案した復興支援策を、1.農業・産業・町づくり振興支援、2.除染推進支援、3.健康・心身ケア支援、4.放射線・放射能測定支援のグループに分け、川俣町民の意向を取り入れつつ、平成25年(2013年)5月から本格的に始動しました。
なお、近畿大学は福島県川俣町から「震災復興アドバイザー」を委嘱されており、平成29年(2017年)5月16日には包括連携協定を締結しています。
【関連リンク】
"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト
http://www.kindai.ac.jp/about-kindai/social-activity/earthquake-east-japan/all-kindai.html
社会連携推進センター 教授 田中 尚道(タナカ ナオミチ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/930-tanaka-naomichi.html