イタリア⼈有名シェフも驚愕のナポリタン、⽇伊の架け橋となるパスタに。『イタリア通信』の⻑⾕川悠⾥が「ケチャップ」と「トマトソース」のルーツを考察。

イタリア文化に精通する女性経営者による『イタリア通信Vol.4〜スパゲッティナポリタン再注目⁉〜』

イタリアの⽼舗ブランドと本格的にビジネス展開する⽇本では数少ない⼥性経営者でもあり、大学講師もつとめる⻑⾕川悠⾥による『イタリア通信』の第四弾!

ナポリ出⾝カリスマシェフが頭を抱える「ナポリタン」の存在

 日本で人気の料理「スパゲッティナポリタン」。実は日本独自の創作料理であることは周知の事実として知られています。ただ、近年はイタリアでもその特異な存在が知られるようになりました。イタリアの⼈気テレビ番組「MasterChef Italia」では、ナポリ出⾝のカリスマシェフ・カンナバッチュオーロ氏が、初めてそのレシピを知り、イタリア料理とあまりにかけ離れた内容に頭を抱える姿が放映されています!
 ナポリタンの調味料は、完熟トマトを煮詰めたものに、砂糖や塩、酢、スパイスなどを加える“ケチャップ”です。日本では人気のこのケチャップ。この調味料自体が、そもそもイタリアではなく、アメリカの調味料であり、イタリア料理とルーツを交えません。そのためイタリア料理にケチャップはご法度であることも広く知られています。

「トマトソース vsナポリタン」〜実はどちらもルーツは○○に⁉〜

 ケチャップではなく、イタリア人にとっての大切な存在、「トマトソース」。そのルーツを紐解いてみます。
 ⼈類史上はじめてトマトソースが登場するのは、ナポリの宮廷で執事を務めたアントニオ・ラティーニの名著『最先端の給仕⻑』(1692年)のレシピ内です。ラティーニという⼈物は、5歳で孤児となったにも関わらず、裸⼀貫で若くして宮廷給仕⻑まで上り詰めた“すご腕天才料理⼈”です。
 ラティーニはイタリア料理界にとって、“予言者”ような存在。まだトマトが一般的に食用にもなっていない時代に、将来トマトソースが、イタリア料理の要の存在となることを予言していました。
 そのトマトソースレシピとは「トマトを炭⽕でローストして、⽪をむき細切れにし、みじん切りの⽟ねぎ、唐⾟⼦、タイム、塩、酢と味付けする」というもの。「炭⽕でロースト」という部分がさすが本格的ですね!
 その後トマトソースパスタが普及したのは、この100年後の19世紀初頭。イタリア⼀般社会に根付いたのは意外に遅かったのです。

 そもそもトマトは⼤航海時代に、“新世界”南⽶からスペイン船を通してスペイン⼈から持ち込まれたもの。実はケチャップと同じく、トマトソースのルーツもアメリカ⼤陸にあり。
 ケチャップはイタリア料理と関連しないものの、トマトソースと起源を同じくし、辿った歴史が異なる“いとこ同⼠”なのでした。

イタリア⼈が戦々恐々の「ナポリタン」に変化の兆し。⽇伊の架け橋となるか。

 イタリアからの訪⽇観光客は、常に成⻑率の上位にあり、⽇本はイタリア⼈にとって⼤⼈気の観光地です。そのぶん⽇本情報誌やWEB情報も急増中。
 なかでも話題となっているのが、“ナポリのスパゲッティ”と日本で命名されている「スパゲッティナポリタン」です。ただし⽇本旅⾏の際の注意事項として「ナポリ料理とは関係ないケチャップとベーコンのパスタなので、⾒かけても⾷べないよう」といった警告がしばしばされています。
 しかし同時に、実際に⾷べた新しい物好きの若年層を中⼼に「意外と美味しい」という再認識の記事も散⾒されます。
 さらに著名メディア『エスクァイア イタリア版』でも「わたしたちに感動を与える、⽇本とイタリアの架け橋のようなパスタ」*という再評価の記事が発表されました。将来はもしかしたら、⽇本を訪れる外国⼈のあいだで「ナポリタン」は「隠れ⼈気イタリアン料理」として語り継がれることになるかもしれませんね。

*https://www.esquire.com/it/ Naporitan spaghetti: il piatto giapponese ispirato a un piatto america no ispirato a un piatto italiano

【編集後記】
 16世紀当時は、トマトは異世界から来た新種の⾷べ物で、医師が慎重に扱うべき毒性も疑われる果実でした。それから約200年以上かけてようやく⼈々から受け⼊れらるようになり、いまでは「トマトが⾚くなると医者が⻘くなる」とまで⾔われています。
 トマトだけでも8000種類以上あるといわれており、世界にはまだまだ、⽇本⼈の⾒たこともない果実がたくさん存在します。拒否から始まっても、好奇⼼から受容へと移り⾏く様が⼈々の⼼情なので、将来、何がブームになるかはわかりません。日本とイタリアをつなぐ架け橋として、今後のナポリタンの存在も⾒守っていきたいですね。

■ イタリア通信 編集⻑ ⻑⾕川悠⾥
株式会社エルゴン・ジャパン代表取締役
慶応義塾非常勤講師

13歳でイタリアへ渡り、約20年に渡りイタリアで過ごす。ボローニャ国⽴⼤学卒業。ミラノ国⽴⼤学⼤学院修了。司⾺遼太郎奨励賞。現在は東京・港区で会社経営をしながら慶応義塾⼤学で教壇にたつ。⽇本とイタリアの交流を⽂化⾯だけでなくビジネス⾯からも促進している。イタリアの⽼舗ブランドと本格的にビジネス展開する⽇本では数少ない⼥性経営者。イタリアの⽂化や健康のトレンドを伝える『イタリア通信』を配信中。

▼『イタリア通信』
第1弾 『秋のイタリアでブームの新健康法とは!?⽇本⼥性にも最適!“キャロブ”“パレオ”で腸活とダイエットを実現。イタリア⽂化に精通する⼥性経営者による「イタリア通信」がスタート』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000057060.html

第2弾 『9⽉30⽇は世界翻訳の⽇!「⼈⽣が豊かになる魔法の⼀⾔」を考察。イタリア⽂化の象徴「〇〇がない愛は美しくない」の〇〇とは?』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000057060.html

第3弾『10月25日は世界パスタの日!“幸せホルモン”はパスタから⁉イタリアのトレンド「炭水化物リバイバル」!<低GI食品パスタと幸せホルモンの関係値>を考察。』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000057060.html

第4弾『イタリア⼈有名シェフも驚愕!いま注⽬の「ナポリタン」が将来は⽇伊の架け橋となるパスタに⁉「トマトソース」と「ケチャップ」のルーツを考察。』
https://newscast.jp/news/6598267

第5弾『ディカプリオ出資のファストフードからヴィーガンヘアカラーまで。年末のイタリア最新事情を現地リポート』
https://newscast.jp/news/8050347

■ エルゴン・ジャパン
エルゴンはイタリア・ミラノ創業で50年の歴史を持ち、プロフェッショナル・サロンを中⼼に世界93か国に展開。すべての製造⼯程で、⾃社直営のもと、厳格な安全基準を守って⽣産。世界でも評価される徹底した品質管理体制を維持し、ISO22716やISO90001など厳しい安全・品質管理の国際認証機関の審査をクリア。サスティナブルな未来を⽬指し、SDGsを推進するグローバル・コスメティックブランド。

株式会社エルゴン・ジャパンのプレスリリース⼀覧 https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/57060


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