日本オフィス学会、第21回大会をオンラインで開催

一般社団法人日本オフィス家具協会

日本オフィス学会の事務局である一般社団法人日本オフィス家具協会から、9月12日(土)に開催した第21回大会について報告します。今年度は新型コロナウイルスの影響でオンラインにて開催しましたが、例年を上回る545名が国内外から参加し、盛況のうちに終了しました。

大会テーマ「シン・オルタナティブ~超えるオフィス どこで働く,どう働く~」

今大会のテーマは「シン・オルタナティブ」。1990年代にアメリカで起こった「オルタナティブ・オフィシング」は1989年のサンフランシスコでの震災の教訓から派生したオフィスの分散化でしたが、最終的には湾岸倉庫への移転に留まりました。
今回のコロナ禍では、その当時と同じように「働き方」と「働く場」が根本的に見直されようとしています。このような状況を「真の」「新しい」オルタナティブ・オフィシングの到来ととらえ、「シン・オルタナティブ」と命名しました。

概要

大会は、2部構成で、第1部は論文発表、第2部は記念シンポジウムとして、特別講演とパネルディスカッションを行いました。

第1部では10件の公募論文を発表

論文のタイトルと発表者は以下の通りです。
(1) ワークスタイル改善に関する基礎的研究-働き方改革を起点とした取組の実態調査  舛田愛海
(2) 道具・空間活用による事業目的達成連鎖と場面管理  柳父行二
(3) 複数オブジェクトを用いた作業から見る一時的マイクロカスタマイズ能力が作業に及ぼす影響の研究  佐藤詩織
(4) 社外テレワーク拠点としてのコワーキングスペース利用に関する調査  嶺野あゆみ
(5) ワーク・エンゲイジメントを向上させる職場環境づくりのための予備的検討  渡邉汐音
(6) ABW型オフィスにおける家具選択の要因  片瀬奈緒子
(7) 「行きたい」オフィスに関する研究  谷口美虎人
(8) 「SOFモデル」によるワークプレイスの知的生産性に関する意識調査・2020  坪本裕之
(9) パフォーマンス向上に寄与する組織風土尺度の短縮版作成とワーク・エンゲイジメントへの影響について  石山希
(10) オフィスに共創空間を設える際の計画要件に関する研究  花田愛

第2部の特別講演

慶応義塾大学総合政策学部の島津明人教授から「これからの働き方とワーク・エンゲイジメント」についてと題して講演いただきました。労働者の健康増進と生産性向上につながる鍵概念としてワーク・エンゲイジメントに注目し、新しい働き方との関連性について最新の調査結果を交えながら語っていただきました。

パネルディスカッション「量子化するオフィスで」

量子力学を例にとって、「あらゆる場所で、あらゆる仕方で、同時に」働く時代が訪れたということをテーマに、パネルディスカッションを行いました。
モデレータには、東北大学大学院工学研究科の本江正茂准教授、パネリストにはオフィス学会の7つの研究部会の代表者が参加しました。視聴者からのオンラインでの質問にも対応しました。

今後の活動

オフィス学会では、多様化する働く場、働き方を「オフィス学」という考えのもとに整理し、様々な関連分野に研究領域を広げてきております。これからもリアルだけでなくオンラインという形も取り入れながら、貴重な情報交換を続けていきたいと考えております。
次回は、11月に研究部会のセミナーを開催予定です。

※ 日本オフィス学会(JOS)の概要、セミナー・学会誌のお申込みはホームページをご覧ください。

一般社団法人日本オフィス家具協会(日本オフィス学会 事務局)

代表者  : 会長 黒田章裕
所在地  : 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-12-11
設立   : 1990年
事業内容 : オフィス家具並びにその周辺についての調査研究・公開
URL   : https://www.joifa.or.jp/